効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

水銀を使わない蛍光灯

白熱電球を原則製造しないと宣言するメーカーが増えて、ほとんどが蛍光灯の方向に向かっています。海外でも電球型蛍光灯の普及に大きな促進策がとられているのです。ここで問題は、蛍光灯には内部に少量の水銀蒸気が入れられているということなのです。内部で水銀ガスを放電させて、そこから出る紫外線が蛍光管内部に塗られた発光材料を光らせるのです。ですから、蛍光灯に寿命が来たときに、普通のゴミとして出すと、この水銀が蒸気として大気中に漏れることになります。人体にも有害です。EUでは、水銀を含む家電製品を原則禁止していますから、蛍光灯の水銀は問題だったのです。
松下電工が水銀を使わないで発光する蛍光灯を開発したと発表しました。ナノサイズのシリコン材料を使い、厚さ約5ミリのガラス容器の中にシリコン薄膜とキセノンガスを閉じこめた構造になっているそうです。電圧をかけると、シリコン薄膜から放出する電子がキセノンにぶつかって紫外線を放出し、それがガラスの内側に塗った蛍光体に当たって光るのです。放電現象ではありませんので、20数ボルトの電圧で作動しますから、現在の蛍光灯よりも効率がよくなるかもしれません。発表では、蛍光灯の1〜1.5倍の発光効率だとしています。商品化はまだ数年先のようですが、面光源になりますからLEDよりも室内照明としては適しているかもしれません。
米国では電力会社が電球型蛍光灯の普及に力を入れていますが、消費者から蛍光灯内部の水銀の有毒性を指摘されて、どのように説明するか困っているようですから朗報かもしれません。石炭火力発電所からも水銀が排出されているそうですから、炭酸ガスの排出が多いだけでなく、この面からも石炭火力発電には問題があると言えます。蛍光灯の水銀よりも石炭からのものの方が問題だという資料をみたこともあります。
家庭が消費する電力の内照明用の比率は高いですから、このような技術を使って消費電力を削減するスピードを上げることが緊急課題なのです。