効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

暑く長い一日

今日は英国最大の電力事業で、ガス事業もやっているE ON社のイノベーション担当上級スタッフを、要請にしたがってセットアップした予定にしたがって昼間をつきあい、夕方にはまったく違った会合、同じ時に入社した学卒が退職してからも年に一回顔をつきあわせる夕食会に出席したのです。猛暑と湿度の凄い日で、疲れましたが、明日への力を貰った気分になる一日でした。
いつもより早く起きて奈良ホテルまででかけ、ロビーで2時間ほど日本のエネルギー市場について説明した後、彼からE ONの事業計画を教えて貰いました。それを詳しく紹介するわけにはいかないのですが、一番印象に残ったことは、電力会社としてのE ONは、温暖化防止に対する政府の規制などを念頭に置きながら、将来発電能力が供給に追いつかない時代が来ることを予想して、家庭用のマイクロ・コージェネレーションの普及を促進しようとしているということでした。さらに、英国にはドイツのような電力の固定価格買い取り制度はないのですが、家庭に設置された燃料電池や小型発電装置からの電力で、設置先で消費しきれない者は系統に逆流させることが当然になっているということでした。それを電力会社は、ドイツのように国が定めた価格ではなくて、電力会社として損をしない、そして消費者が納得する価格で購入するのだそうです。彼は、日本で逆潮流ができるのが太陽光発電だけだと知って、びっくりしていました。電力会社にとってもメリットがあるはずなのに、逆潮流をどうして受け入れないのかという意見でした。また、E ONは顧客との関係を密接にするために、自ら温水器や空調の販売を自ら行い、その取付が消費者から信頼されるために、工事会社を自社の傘下に入れる方向で動いているとのことです。どうも日本の電力会社の視野は極めて狭いようだとあらためて感じた次第です。
午後から大阪で2つのミーティングが日本企業とありましたが、日本とE ONとの間に何か具体的な事業が生まれるかもしれないという予感があります。そのきっかけを作ることができたとすれば、幸いです。明日も今日よりもっと早く起きて彼を引き回さなければなりません。