効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

欧州のエネルギー関連リサーチ会社のスタッフが言ったこと

今日の午前9時半という、この頃の日常としては早い時間に近鉄奈良駅まででかけた。自分が日本とのつながりを維持する仕事を頼まれているDelta Energy & Environmentという主として分散型エネルギー関連のリサーチをしている英国の会社の営業担当との打ち合わせだった。ここ2週間の間に20社ほどへの訪問をして議論をし、リサーチを売り込むというタフなスケジュールの中へ、1時間半の打ち合わせをするために来てくれたのだ。彼等のリサーチサービスの中には、デマンド・レスポンス(DR)という電力供給を需要サイドへ働きかけることによって制御しようとする方式に関連するものがあり、今回はそれを中心にして顧客開発をしているようだった。彼との話の中で、日本にもDRの導入が盛んに言われ始めているのだが、日本の問題は、例えばDRによって消費サイドの需要を抑制することで発電設備への負荷を落とそうとするサービスについて、どれだけの価値を持つかを金銭評価にする方策がまだ固まっていないことだと言ったことだった。日本の場合、電力需要の変動に対応して発電量を制御するのは発電設備を保有する大手電力会社の役割だった。米国などでは20年ほど前から、ピーク需要に応じた設備を持たなくても良いように電力消費を抑制できれば、発電設備の収益性が上がるから、需要を抑制する価値を認めて電気事業者がそのサービスを買い取るというビジネスが成立し、大きく育っている。だが、日本ではまだ本格的なビジネスとして育っていないというのが彼の言う趣旨だった。見えないものの価値をどのように金銭評価するかに日本の電力事業者はまだ確たる方式を確定していないということだ。成る程と思わされた。