効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

多様性とエネルギー効率

昨日、仕事の関係で、ある大手の建築設計会社を訪問しました。そこでエネルギーを主題にして話しをしていて考えたことですが、これからの建物には、その規模を問わず、自然エネルギーやエネルギー消費効率が高い機器が各種取り付けられるのが当たり前になるだろうということでした。英国の郊外では小型の風力発電装置を付けるのが流行になっているそうですし、世界各国の新しいビルには、屋上だけでなく壁にも太陽電池が一杯貼り付けられるのが普通になると予測されます。窓が発電機になることも考えられます。そして、燃料電池やエンジン発電機が設置されて、その排熱をうまく利用することで総合効率を上げることができるでしょう。
ただ、それぞれのエネルギー機器は稼働するときの効率特性が異なりますから、それぞれが勝手に最大効率を出そうとすると、無駄が出たりして、建物全体の総合効率が必ずしも最大にはならないはずです。温暖化防止のためには、できるだけ炭酸ガスを出さない自然エネルギーの利用を優先しなくてはならないのですが、自然の動きを人間がコントロールできないものですから、その使い勝手が良くなるようにするのが、制御をしやすいエネルギー機器だろうということです。その時には、その機器としては最大効率で動けないかもしれませんが、全体の効率を高めるために、少し自分の効率を犠牲にしてでも全体の効率が最大になるように自ら制御するようになって貰わなければならないでしょう。
建物に取り付けられるエネルギー発生機器の数が増えてくると、このような制御をするプログラムが幾何級数的に複雑になってしまうはずです。このような制御を難なく行っているのは生物です。人間も身体全体がもっともエネルギー効率が高くなるように活動しているのですが、臓器や筋肉などがお互いに情報を交換しあって、譲り合いながら身体全体としてはもっとも効率が高くなるように機能しているそうです。たとえば、運動をしているときと寝ている時では、筋肉の動きは大きく異なります。それでももっとも快適に生活できるのは、神経回路が巧妙な制御をしているからだそうで、エネルギー機器に使われている制御にはまだそこまでの巧妙さを発揮できないそうです。これからの技術開発は協調、共生をどのようにうまく発揮するかの制御技術が課題になりそうです。