効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■ZEB(ネットゼロ・エネルギー・ビル)

 オリンピック前後に多くの道路が敷設されたように、商用ビル、公用ビルもその頃多く新設された。それらの建物は、まだエネルギー効率の良さに力点はなく、逆にエネルギーを浪費しても使い勝手や快適さを追求した物が殆どだった。それは地方自治体の使っている建物も同じだが、これらが耐震性の問題なども含めて手直しや新設が検討される時期に入っている。気候変動対応が言われている今、このような建物の新設や改修には、エネルギー効率を高くすることにも配慮されるようになり、ZEBという概念での設計もなされるようになってきた。

 兵庫県赤穂郡上郡町の庁舎が改修されるにあたって、国際航業は、日比谷総合設備)と協同でZEB化に向けた改修工事に着手することになったということだ。民間企業による自治体庁舎のZEB化事業は初めてらしい。今後はこの取り組みを先進的なモデル事業として位置づけ、全国でZEB化の普及に取り組んでいく構えだと報じられている。環境省によると、ZEBは快適な室内環境を実現しながら、建物で消費するエネルギーをゼロにすることを目指した建物だとされている。この定義は多少端折りすぎた感じで、化石燃料によって発電された電力を極力少なくするということだろうが、太陽光発電などの取り付けよりも前に、建物のエネルギー損失をできるだけ少なくし、設置されるエネルギー消費機器の効率を極力高くすることが具体的な対応になる。

 最初に検討されるべきことは、建物外皮からのエネルギー逸失を少なくするために、外壁の断熱を強化し、窓ガラスは、複層ガラスと樹脂フレームの組み合わせで、熱の出入りを少なくするようにすることだ。その次には、エネルギー消費が大きい空調設備を設置し、電力消費が少ない照明や事務機器への取り換えが続く。

これが建物の改修の場合には、その前後でのエネルギー消費量の比較ができるようにし、建物の運用管理をする組織にエネルギー管理に特化した機能を持たせることが必要になる。以前に修士課程の学生を指導していたときに、病院で、エネルギー管理者が居るところと、置かれていないところでは、エネルギー効率に有意な差が示されていた。床面積当たりとか、病室数あたりなどの数値をトレンドで把握できれば、自治体の庁舎の改修に向けた投資効率の指数として、エネルギー消費効率が前後でどのように変わったかが示せるようにしておかなければならない。その上で、自然エネルギー起源の電力・熱エネルギーの供給で全体のエネルギーを賄えるようにするのだが、これは必ずしも常に自然エネルギーを消費するということではない。一部を環境価値で補うことも必要になるだろう。

 いずれにしろ、公的機関の建物にZEBの概念が導入されるのは、地域社会の環境対応のシンボルとして利用されるはずだ。今後、ZEBが当たり前というようになることが期待される。

 

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