効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

家庭用燃料電池の本格?商品化

1キロワットクラスの家庭用燃料電池が国の支援による実証試験段階を終えて、商品として市場に出るのを来年に控えて、関連業界が愛称を「エネファーム(ENE・FARM)」に統一するということだ。いままで東京ガスが「ライフエル」という名前で一種のリース販売をしていたが、この名称も変更されることになる。燃料を供給するのはガス業界だけではなく、石油、LPG業界も関係するだけに、この名称に統一するには結構議論が交わされたに違いない。
いよいよ商品として販売される段階に来たとはいえ、価格はまだ気軽に買えるようなものではなく、おそらく200万円はするだろう。多分国の補助金も付けられるだろうが、いくら総合効率が高くても、そして、燃料代についても特別の配慮がされたとしても、投資額を回収するのが耐用年数内にできるかどうか心許ない。
それに加えて、故障率が消費者の受け入れられるだけ低くなっているかという点についても不安が残る。早々と商品化を発表した松下電器の製品にしても、平均的には商品として販売できる故障率にまで下がっていると自信を示してはいるが、現在ガス事業やLPG業界が販売しているガスエンジン・マイクロコージェネのエコウイルと同じように、少なくとも年に一回の定期点検は必要だろうし、それ以外に突然停止するという確率は、エコウイルよりまだ高いと思われる。
高い価格を補うだけの普及促進策として、ヨーロッパや韓国で見られるように、これが発電する電力を高く購入する特別施策も用意しないと、この商品化によって日本の地球温暖化対応に貢献していると言える程の数が出ない可能性もある。いろいろ政府と業界が折衝しているだろうが、その詳細が知りたいところだ。
しかし、燃料電池開発に昔関わった人間としては、スムースに導入が広がってほしいと願っている。関連業界にぜひ頑張ってほしい。