効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

東京都が住宅用ガス発電に補助

東京都が、住宅用ガス発電機と燃料電池の購入費用を補助する施策を打ち出した。ガスエンジンによる発電のエコウイル(1kW)と固体高分子型燃料電池エネファーム(750W)を対象としたものだ。出力1kWあたり10万円を支給するという。エコウイルは1万件、エネファームは2000件の申請を見込んでいるそうだ。しかし、この間もここで書いたように、燃料電池向けの政府補助金予算がもうなくなっているから10万円出したから燃料電池を設置しようとする人はないだろう。エンジン発電機の方は昨年度まで政府の補助金が付いていたが、多分今年度は補助金がなくなっているはず。昨年度の補助金が10万円ほどだったから、東京都はその代替策を出したのだろう。このエコウイルもほとんど在庫がないくらい売れているかもしれない。
エコウイル1万件を想定しているというのは、全部が設置されると1万キロワットになるということだ。ただ注意しておかなければならないのは、このエンジン発電システムは給湯需要を予測して稼動するために、常時発電しているわけではないということだ。どのくらいお湯を使うかを予測して、その少し前に1キロワットでフル発電し、排熱を回収して貯湯層に貯める。その時に家庭が消費している電力が600ワットだとすると、あまった400ワット分はヒーターで熱にしてお湯を沸かすように制御されている。この400ワットを系統に逆流させることが許されれば、3.11以後の電力不足対応にもっと役立つはず。電力会社がこのような逆流を受け入れるかどうかは分からないし、受け入れたとしても、現在の商品では対応ができない。おそらく開発に2〜3年はかかるだろう。
燃料電池は常時発電しているが、これも配電系統への逆流は認められていない。家庭用燃料電池太陽光発電を併設すれば、家庭で消費する電力が750ワット以下であれば、太陽光発電からの出力を全部系統に逆流させて電力会社に売ることができる。電気の需要が多くなる昼間に逆流する量が多くなるから、これまで不満を言っていた電力会社も逆にありがたがるだろう。
問題はこの東京都が補助をする対象物件が想定するほどあるだろうかということだ。太陽電池を補助対象にした方が良いかもしれない。