効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

マツダがロータリーエンジン水素ハイブリッド車発表

マツダが水素を燃料にするロータリーエンジン(RE)車を発表し、国土交通省の認定も受けて一般道路を走れるようになった。世界で唯一量産するRE車はかって、「ガソリンがぶ飲み車」と酷評され、開発中止寸前まで追い込まれた歴史を持つ。REは一般的なレシプロエンジンとは発想がまったく違う、いわばポンプのような構造を持つエンジンで、自動車の加速性能だけを考えれば極めて優れたものだったが、何せ燃費が悪かった。ところが、この構造が水素燃料と相性がよく、ガソリンと併用可能な世界初の水素ハイブリッド車を来春までに商品化するという。
電気モーターを組み合わせたハイブリッドシステムの採用で、出力を従来者に比べ40%向上し、水素での航続距離は200キロメートルと倍増させている。これは電気モーターの高い効率が効いているのだろう。来春までに国内でリース販売を始め、数年後には水素の航続距離を400キロメートルに伸ばすとしている。燃料電池自動車は従来の自動車技術とはまったく異質な技術に依存しているし、白金を触媒に使うためにその価格と資源量に制約を受けるのは確実だ。それに対してRE車は既存の自動車技術の延長だからコスト的にも量産効果は大きい。以前からREには注目していたのだが、いよいよ登場したかと嬉しい気がする。水素とガソリンを使うようになっているが、水素を高圧充填して使っているのであれば、天然ガスを充填しても使えるのではないか。もし可能だとすれば、バイオガスをメタンリッチにしてやれば使用可能だろうし、現在普及しつつある天然ガススタンドでも充填して使えるのではないだろうか。水素より熱量は高いから航続距離も伸びるはずだ。天然ガスと水素のハイブリッドも考えられる。
水素を使うとすればこのマツダのREが一番早く実用的になるだろう。問題は水素を何から作るかだ。REの構造上、燃料電池に比べれば燃費は格段に悪いはずだから、再生可能エネルギーから作った水素を使わなければ、炭酸ガス排出量を総合的に削減する効果は出なくなる。今のように天然ガスを改質して作った水素を使うのであれば、ただ水素で走れることを示すだけで当面あまり意味はないことになる。少なくともバイオガスを使えるようなシステムもオプションとしてほしいものだ。