効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

燃料電池の発売開始

28日にガス会社、石油会社、LPG販売会社など6社が、この春から家庭用固体電解質燃料電池を販売開始すると共同発表をした。東京ガス大阪ガス東邦ガス西部ガス新日本石油、そしてLPG販売会社であるアストモスエネルギーだ。東京ガスパナソニック製と荏原バラード製、大阪ガス東芝製とENEOSセルテック(旧三洋の開発製品)製を販売する。各社の製品販売価格は少しずつ違うようだが、補助金を想定すると消費者が払うのは180万円強。補助金は300万円前半の定価の半分に対し140万円を限度にして想定されている。ガス代が安くなるとはいえまだかなり高いために、高級仕様の新築家屋向けが市場として考えられているだろう。東京ガスの2009年度販売目標は1500台。大阪ガスは2009年度に1000台ほどの販売目標を掲げている。全体では4000〜5000台の目標となっている。
現在の経済環境を考えると、この目標の達成はかなり難しいのではないかと思う。さらに、耐久性についても10年はまだ達成されていないから、維持管理費用を誰が負担するかなど具体的な販売策をみなければ、販売予測をするのも難しい。
燃料が都市ガス、LPG、灯油と異なるものも全て「エネファーム」というブランド名で統一されて全国展開をしやすくしようと工夫されてはいる。しかし、営業力という側面から見ると、東京ガス大阪ガスが群を抜いている。ガス機器の販売網ができあがっているからだ。新日石アストモスエネルギーはいままでにこのようなかなりの工事を伴う設備を販売した経験は少ないはずだから、工事体制を含めた販売経路の確立に時間がかかるのではないだろうか。ともあれ、実証試験の段階を抜け出た家庭用燃料電池の販売が、これからどのような推移を示すか、大いなる関心を持って見守りたい。