効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

ソニーが色素増感型太陽電池開発

今日25日の新聞で、ソニーが、シリコンを素材としない色素増感太陽電池を開発したと報道されている。シリコン素材が今までの主流で光の変換効率も20%近くだが、製造に要するエネルギーが多くなる。色素増感型は、半導体材料の代わりに印刷技術の応用で作れ、製造費はシリコン型に比べて5分の一から10分の一になると記事に出ている。変換効率も実用化への目安とされる10%を達成したという。ソニーがどのような形でこの事業分野に進出するかは不明だが、ホンダ、昭和シェルといったところが、同じような非シリコン型の太陽電池事業で先行している。
電気を運ぶ電解質に特殊な微粒子を混ぜ込み、液体ではなくゼリー状にし、製品化した場合の液漏れを防ぐことができて性能が安定したという。このような構造だから、シリコン素材のものに比べて耐久性が問題になる可能性もある。シリコン素材の場合、電池セル自体の寿命は半永久的で、接続する他の部分やインバーターの寿命で左右される。しかし、色素増感型は変換効率だけを見てもどれだけ維持できるか、変質しないかなど実用化後の課題を克服しなければなるまい。
太陽光発電は、太陽の顔の出し方で出力が変わるから不安定だといわれるが、電力需要が多いときに発電してくれる点ではこの不安定性は問題にならない。一般の電気機器がオンオフされることによる需要変動の方が予測しにくいだろう。風力発電のように、需要のない夜間に発電することは絶対にないのだから、予測安定性は抜群だろう。
製造コストが大きく下がれば、取り付ければ確実に得をすることになるから、住宅の屋根の一般仕様になるだろう。それに至までにどれだけ日本に市場を拡大するか、エネルギー政策を工夫すれば、原発一基分くらい簡単に設置されるだろう。