効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

甲子園球場に太陽光発電設置 

ずっと前、甲子園球場改築について屋根に太陽電池を設置したら良いのにとここで書いたことがある。その後、その方向であることを報道で知ったが、詳細は分からなかった。今日の電気新聞で、ホンダの関係会社が製造する非シリコン系の薄膜型太陽電池セルでできたシステムが設置されることを知った。次のように報じられている。
ホンダグループで、太陽電池の生産・国内販売を手がけるホンダソルテック(熊本県大津町、数佐明男社長)は、同社が開発した薄膜太陽電池阪神甲子園球場兵庫県西宮市)に設置する。同社の薄膜太陽電池は、09年3月にリニューアル工事が完了した同球場の内野席を覆う屋根に設置される予定で、10年3月から稼働を開始する予定だ。設置する太陽光発電システムによる推定発電電力量は、年間約19万3千キロワット時で、同球場で行うナイトゲームで使用する照明の使用電力量の1年分に相当するという。また、導入による二酸化炭素(CO2)削減量は、年間約133トンとしている。
ざっと計算すると、定格出力数百キロワットというところだろうか。以前の発表では800キロワットとしていたが、そこまでは行かないかもしれない。
ホンダが独自開発した薄膜太陽電池は、銅・インジウムガリウム・セレンといった金属化合物を素材とした薄膜で形成されている。薄膜の中では変換効率が比較的高く、耐久性にも優れている。また、製造過程での使用エネルギーが少ないことから、次世代型の太陽電池として注目されている。ホンダソルテックは、07年に一般住宅用商品として太陽電池の販売を開始した。08年10月からは、公共・産業用にも参入しており、同社では今後も、甲子園球場のような大型案件への需要開拓を加速させていく構えだとしている。
金属化合物を素材としたものの他に、色素増感型といわれる有機物も使ったものもある。いずれもシリコン系のものに比べて変換効率が低いのだが、それに対応する価格が安いし、軽くて柔軟性もあるために設置もしやすい特徴がある。問題となる寿命もシリコン系に対抗できるようになってきたのだろう。これから市場での競争が激しくなることは間違いない。