効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

書籍紹介

友人の環境エネルギージャーナリスト、本橋恵一氏の最近著「電力・ガス業界の動向とカラクリがよーくわかる本」(秀和システム)を読了。エネルギー業界について表も裏も知っている人が書くとこのような内容になるのかと感心した。カバーする分野が広いだけに、一般の人には解説が必要な部分もあるとはいえ、地球温暖化防止について考えるときにも大いに参考となる資料だと思う。
表題から見て国内事情だけかと思っていた。ところが、海外事情もごく最近の状況まで盛り込んであるので、これ一冊で結構知ったかぶりができるだろう。表やグラフも豊富で、これを自分で探そうと思ったら時間がかかるに違いない。出典が明示してあるので、それを足がかりにしてインターネットで知識を増やすことも可能だ。自分が指導している学生にも紹介しよう。
電力会社、ガス会社というと、東京で、日本には東京電力東京ガスしかないと思っている人に出会って驚いたこともあったが、一般にはどの会社もお役所会社で変わりはないと思われているのが実情だろう。本書の最後の方に、会社の企業風土を解説している部分があって、電力会社、ガス会社と一括りにして考えるのは大きな間違いだと改めて思った次第。また、今後エネルギー需要の伸びがそれほど期待できない市場の中で競争がさらに導入されていけば、電力、ガスの販売だけではなく、それに関わるサービス・ビジネスをいかに開発するかが今後の事業発展に関係することを指摘しているのは、これからの公益事業のあり方を考えるヒントにもなるだろう。情報量から見ると1,300円(税別)は安い。