効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

米国の砂漠で稼働するスターリングエンジン

米国のサンディア国立研究所が最近、そこで実証試験をしている太陽熱利用のスターリングエンジン発電機が31.25%という発電効率を出したと発表した。このシステムは、Stirling Engine Systems社が設置しているもので、反射板で太陽光を集め、焦点の一番高温となるところにスターリングエンジンの集熱部を置いてある。一基25キロワットが最大出力のものを6基ずつ設置してテストしてきたようだが、1984年に出した29.4%の記録を破ったようだ。集熱板の反射率を向上させたりしたこともあるが、たまたま気温が氷点下まで下がり、それに加えて太陽の光がいつもより強かったことがもっとも貢献したと発表している。
SESはこのユニットの実用化に踏み出しており、カリフォルニアの電力会社(Southern California EdisonとSan Diego Gas & Electric)に1,750MWの電力を販売する契約を結んでいる。そのために、最終的にこの発電設備を7万基設置することになる。地球温暖化防止への関心が急速に高まっている米国だから、電力会社は多少コストが高くても購入して、義務づけられているRPS目標を達成しようとするだろう。発表されたのは発電効率だけで、信頼性や耐久性については触れられていない。電力会社と契約したと言うことは、耐久性の問題はクリアーしたのだろう。7万基が一度にダウンすることは、全体を制御するシステムや系統連系ポイントでのトラブルがない限り起こらないから、それを二重にして信頼性を高めてやれば、晴天が保証されている砂漠であるから、需要の高まる昼に稼働する高信頼度の発電所ができたことになる。
残念ながら日本ではこのような日照は得られないから、コスト効果が出ないだろう。