効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

太陽電池のコスト

つい最近まで太陽電池の世界トップメーカーであったシャープが、2010年には生産コストを現在の半分にするめどがついたとしている。これは堺に新設を進めている工場で生産する薄膜型のセルについてのようだ。シリコンの使用量が従来の結晶型に比べると100分の一で済むと言われる。
報道によれば、太陽光発電システムの導入費を稼働期間、発電量で割ると、1キロワット時の発電コストが45円かかる計算になるそうだ。生産コストが現在の半分になれば、発電コストを家庭用の電力料金並みに引き下げることができるはずだ。シャープの太陽電池生産能力は、現在年間70万キロワット。これを将来600万キロワットにする計画を持っているという。2007年の太陽電池の世界需要をほぼ2倍にした量だ。これには海外工場での生産も想定に入っている。
一方、政府は太陽光発電で発電された電力量に新エネルギー財団から補助金を出すことを考え始めたようだ。報道によると、電力会社による購入電力価格とシステムによる発電電力単価の差額の2分の一を助成するもので、同財団の試算では、仮に支援期間を最大5年間とした場合、15万円程度の支援が受けられるという。日本で太陽光発電容量の伸びが完全に止まってしまった原因が、家庭用設備設置への補助金打ち切りだと認めて、新しい補助金を考えたというところだろう。しかし、設置する家庭の損が現在よりも少なくなるだけだと考えると、期待するほどの効果は出ないかもしれない。
発電単価が1キロワット時46円の3キロワット級住宅用システムで行った試算では、標準支援単価は1キロワット時10円となり、年間3万円ほどになるらしい。いま電力会社が販売金額と同額で買い取っている電力価格は22円/キロワット時程度だ。自家消費の電気にも補助が出るような感じだから、ドイツなどで行われている固定高価格買取制度には及ばないが、多少促進効果が出るだろう。ただ、これが行われると、電力会社は現在の余剰電力買取制度を止めてしまうかもしれない。最終どのような形のものになるか見守っていきたい。しかし、既に取り付けている家庭には適用されない筈だから、いま補助金なしに取り付けている需要が止まってしまうことは確実だ。