効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

松下電器と家庭用燃料電池

4月14日に松下電器は、発電効率が約39%と世界最高の家庭用燃料電池を開発したと発表した。詳細はhttp://panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn080414-1/jn080414-1.html?ref=news で見ることができる。
これまで東京ガスと組んで1キロワットの固体高分子型燃料電池ユニットを共同開発し、国の大規模実証試験にも参加してきた。今回発表したものはその延長だろう。2009年に商品として発売を開始し、その時の価格は100万円を想定しているが、2015年までに価格を50万円台にするそうだ。販売開始時点では国からそれなりの補助金が出るだろう。東京ガスは松下の他に荏原・バラード社のものも扱い、国の実証試験以外に、パートナーシップ制度という名の下に、実験協力を前提とした一種のリース販売を行っている。商品名を「ライフエル」とし、今年は100台を募集している。大阪ガス東芝三洋電機燃料電池を共同開発しているが、まだ東京ガスのような制度の実施はしていない。
東京ガス大阪ガスで、家庭用燃料電池の共同開発をするメーカーが異なるのだが、実際に松下電器が販売するとなると、大阪ガスを始めとするガス会社との関係はどうなるのか気になるところだ。大阪ガスはホンダが開発したガスエンジンを使った1キロワットのコージェネレーション「エコウイル」を販売し、しばらく東京ガスはこれを採用しなかった。今では東京ガスもエコウイルを扱っているが、大阪ガスの販売数ははるかに大きい。一台80万円ほどだが、国の補助金が14万円ほどついている。これと比較しても50万円台が実現すれば素晴らしいが、量産効果を出すためにも大阪ガスの販売チャネルを使いたいところだろう。大阪ガスはどのように対応するだろう。都市ガスを使うものであれば、ガス会社が必ず関与するが、単なる供給に応じるのではなく、自社商品扱いで販売するかどうかが鍵となる。
東京ガス大阪ガスでは家庭用燃料電池の開発に当たって設定する仕様が異なっているために、松下電器が開発したものはおそらく東京ガス仕様となっているはずだ。そのすり合わせをするのか、ガスが売れればよいということで大阪ガスは松下のユニットをそのまま売るのか、それともガス供給だけに留まるのか。
我が家の三洋電機燃料電池はこのところ極めて順調に稼働してくれている。これを東芝製も含めて商品として大阪ガスが販売すると発表するのかどうかも気になるところだ。