効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

コスト総研

今日午前遅めに、市ヶ谷にあるコスト削減総合研究所というベンチャー企業を訪問した。この会社は企業経営の合理化、効率化のコンサルティングに際して、エネルギーの使い方の分析を通してアドバイスする仕事を一つの柱にしている。コストや無駄がどこで発生しているかを数字で見えるようにして、顧客企業の全員が同じ情報を共有することで経営改善を進めることに成功している。http://www.sakugen.org/
2ヶ月ほど前にエネルギーとしてのガスをどのようにして測定分析するかの相談を受けた。昔の経験からの話をし、測定法について調べたりしたのだが、電力の使用パターン分析の手段はいくらもあるが、主に熱として利用されることが多いガスについて、時間単位で使用量を測定することができるガスメーター自体があまりないことがわかった。この会社がエネルギー使用分析をしようとするチェーンレストランのガス使用量の、たとえば5分単位の流量変化を測定することがきわめて難しいのだ。
温水のエネルギー消費量を計れば良いではないかというのは簡単だが、温水の熱量測定を精度高く行うことは難しいし高くつく。測定器を取り付けるために給湯配管に切り込みを入れること自体、営業中のお店を対象にはできない相談だ。電気についても昔は同じような状況だった。しかし、今では電気の消費を抑えようとする要請が高まる中で、配線をいじらずに短い間隔で連続して測定する機器が安く手にはいるようになっている。しかし、ガスには、安全の見地からの短時間測定は行われているが、それはガス会社自身のためであって、そのデータを顧客が利用できるようにはなっていないようだ。
今日再度の話を聞いたら、ガス会社からおそらく1立米単位にパルスを出す大型のガスメーターを取り付けて貰うまでにこぎ着けたようだ。ところが、パルスがどのように出力されるかのスペックを一切出してくれないというからあきれたものだ。顧客の要請に従って信号発信器のついたガスメーターに取り替えるのをサービスとしてやるのなら、そのデータが利用できるようにしなければ竜頭蛇尾もいいところだ。
社長さんも加わって効エネルギーのあり方について議論することもできた。まだ企業経営者、特に中小企業経営者は、エネルギー利用の効率化によって得られるコスト削減額は、即利益に結びつくということに気がついていないことが多いようだ。エネルギーは必要経費として仕方がないと思っていることも多い。この会社が貢献できる分野は多そうだし、それが直接地球温暖化防止にも結びつくだけに、着実な成果を上げてほしいものだ。
お昼をご馳走になってから次の予定に向かったが、自分が目指す方向を共有できる人と情報を共有することができた充実感も加わって、気持ちの良い満腹感を味わっていた。