効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

カラー電子ペーパー

日経ビジネス3月31日号に出ているが、夢とされていたカラー電子ペーパーが実用化の段階に近づいているそうだ。液晶画面で電子化された書物を読むのは当たり前になっている。しかし、この場合表示している間中電力が消費されている。ところが、ここで紹介されている電子ペーパーは、書き換えの時には僅かながら電力を消費するが、その後は太陽なり照明の光を反射させて文字が読めるようになる。というのは文字なり色の表示をさせる粒子の位置や角度が記憶されて、次の書き換えまでは普通の紙に書いた文字や絵と同じ原理で見えるようになっているらしい。
富士通フロンテックとブリヂストンがそれぞれ異なった方式でこの紙もどきを開発したそうで、書き換えが頻繁なスーパーマーケットの商品価格表示などですでに利用されているという。駅の広告の張り替え作業をよく見かけるが、この電子ペーパーを広告面に利用すれば、一瞬にして広告を変更することができ、その後は現在の広告と同じように表示される。応用範囲は極めて広いだろう。何万回もの書き換えがすでに可能で、将来は100万回にすることも想定されている。
自分が翻訳したエイモリー・ロビンスの「スモール・イズ・プロフィタブル」は、A5版で500ページを超えるものなので、持ち運んで電車の中で読むなどまず無理だ。もしこの電子ペーパーが安くなって、書き換え装置が電源も含めていまのUSBメモリーくらいのものとなれば、このような大部のものがどこでも読んで貰えるようになるだろう。もともとは電子データだから、検索したページを表示させることも難しいことではなかろう。
これの値段が書籍として利用できるくらいにまで下がれば、エネルギーと資源の有効利用として素晴らしい効果を上げることになる。古紙の再生利用市場も影響を受けるかもしれない。A5版サイズで2〜3万円になれば多分買うだろう。早い商品化を願っている。