効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

LNGの市場動向

日本に輸入されるLNGの価格が、原油価格の動向を遅れて反映しながら上昇し続けている。LNG天然ガス(メタン主成分)を液化したものであるが、天然ガスは石油に比べると、燃料として使ったときに炭酸ガスの排出量が少ないために、発電所を始めとして使用量が急増しようとしている。日本(韓国も)は国内にほとんど天然ガスを産出しないので、ほぼ全量を東南アジアやオーストラリアからLNG液化天然ガス)として輸入している。ところが、いままで輸出国だったところがインドネシアのように国内向けにLNG基地を建設するようになっているし、中国やインドもLNGの輸入を始めている。石油のような大規模なスポット市場はないとはいえ、LNGにもスポット市場ができていて、この価格が急騰している。石油も石炭もLNGも全て輸入に頼る日本が、これからの価格急騰にどのように対応すればよいのか極めて心配だ。
そこへ、ロシアを中心にして、天然ガスOPECのような組織を作ろうという動きが出ている。いままで天然ガスは中東のような不安定な国で産出されるのではないために、供給の安定性に優れていると言われていた。しかし、昨今のロシアの動きを見ていると、旧ソ連に属していた東欧諸国だけでなく、西欧、日本、中国までも視野に入れたエネルギーを手段にした政治力を発揮しようとしているのは明らかだ。
こうなると、陸の孤島である日本の運命は極めて脆弱な基盤に左右されることになる。原発がたとえ安全だとしてもこれから建設するのに10年以上かかる。再生可能エネルギー風力発電太陽光発電はすぐに建設着手できても量的に追いつかない。バイオマスはまだ実用化にはほど遠い。結局日本全体でエネルギー使用量を大幅に削減する方策を考えざるを得なくなる緊急事態が出てくるかも知れない。
本当に心配だ。