報道によると、世界初となる全館LED(発光ダイオード)照明のオフィスが大阪市淀川区に完成したそうだ。室内の照明から、屋外の駐車場、植栽部分にいたるまで、効率が高く長寿命のLEDを採用し、蛍光灯と白熱電灯を使っていたオフィスに比べて消費電力を41%削減できるという。建設したのはIDECで、ここはボタン部分にLEDを用いた券売機など産業用のLED表示機器で国内シェア44%のトップメーカーだそうだ。自社製のLED約11,000個を使っている。
蛍光灯に比べると照明部分の投資額は2倍以上になったが、LEDの消費電力が少ないために、年間138万円の電気代が浮く計算で、資金は数年で回収できそうだという。会社自体のイメージ広告にもなるのだからここまで徹底したのだろう。ただ、このオフィスが目に優しい光になっているかどうかは保証の限りではないという気がする。LED照明の演色性は、いまのコストではまだ太陽光や白熱電球のレベルにまでなっていないそうだし、LED自体、もともとが点光源なので、ここでは多分レンズか反射鏡を使って面光源的な効果を出すようにしているのだろう。写真で見ると全体がカバーされているようだから、和らげる効果が出せているのだろう。
LED照明は減光するのもやりやすいはずだから、晴天時には窓際の照明を落としたりする工夫もやりやすい。また、発熱も少ないので冷房負荷も下がる。それだけ空調機器の規模も削減できるはずだ。このような全体システム設計が当然なされているだろうか、一年ほど運用した後のデータを公表してほしいものだ。
IDECが発表した写真の一部を拝借してここに載せることにする。