効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

アラスカ州からのLNG輸入

アラスカからのLNG輸入は、東京ガス東京電力が連携して推進し、1969年にLNGタンカー第一船が到着している。このほど、経済産業省が8日、米アラスカ州天然資源省と同州産の液化天然ガス(LNG)調達に向けた覚書を交わしたというのは、アラスカ州からのLNG輸入としては必ずしも新規のものではないと言える。しかし、アラスカ州には天然ガス田が豊富に存在しており、北部の天然ガス田で産出されるガスを南部で液化する計画が2023年にも始まるということだ。今回の覚書を通して、世界最大のLNG輸入国である日本の需要動向や、アラスカ側の計画の進捗状況などの情報の相互提供で協力することになっている。
アラスカ州は米国から見れば、カナダの向こう側にある飛び地の州だ。ここで産出される天然ガスを長距離パイプラインで米国内に持ち込む計画も推進されているがその埋設コストは大きく工事期間も長い。直接日本へLNGとして輸出できれば、米日双方にとってメリットのある話となる。特に日本にとっては、地政学的に安定している国からのエネルギー輸入になるし、太平洋に面して建設されるLNG基地からタンカーで日本まで運べば、その海上輸送距離は短いから輸送コストも低い。日本へのエネルギー供給を安定化するという面での価値は極めて大きいと言えるだろう。ただ、LNG基地までのパイプライン設置も新規に行う必要もあるはずだから、地域住民や環境への影響などの判断次第では、実現が遅れないとは言えない。だが、基地建設が行われるのは確実だと考えられるから、エネルギー自給率が極めて低い日本としては,輸入に伴うリスクが小さい供給源が確保されるのは,非常に有り難いことだ。豪州からのLNG輸入と競合することも考えられるから、諸手を挙げてということにはならないかもしれないが。