効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

LPGの備蓄

経済産業省は家庭や発電燃料に使う液化石油ガス(LPG)の備蓄基準を見直すらしい。現在は輸入の8割を中東に依存しているが、政情が安定した北米やオーストラリア産ガスを輸入する場合の備蓄基準を緩め、米豪などから輸入しやすくするためのようだ。LPG会社は備蓄コストを下げる利点がある。低リスク国から輸入した場合、実際の備蓄量よりも多く備蓄したと見なす。同様の備蓄戦略は発電燃料向け需要が急増している液化天然ガス(LNG)にも波及する可能性がある。LPGは石油備蓄法に基づいて、国が年間輸入量の40日分、民間で50日分を備蓄する制度になっている。新たな算定方法では、輸送ルートの安定度など調達先のリスクに応じて4段階で備蓄量を設定するというが、そのリスク算定はどのようにするのだろうか。またリスクが高いとされる中東地域の国は、その算定の仕方によっては外交の問題として取り上げる可能性はないのだろうか。米国産のLPGは割安なシェールガスの副産物として採取でき、昨年から一部輸入が始まった。2016年にパナマ運河が拡張されれば輸送距離が短くなり、さらにコストが下がることは確かだろう。国のリスクに準拠するのではなく、コストに見合った備蓄を考えるべきではないか。