効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

1万キロワットの太陽光発電

関西電力が堺に1万キロワット規模の太陽光発電を設置するという記事を今日見た。1平米で1kW程度の太陽エネルギーを利用するので、太陽電池の変換効率を考えると3〜4万平米の土地面積を必要とするだろう。
ついこの間、1000kW(メガワット)クラスの太陽光発電が系統に悪影響を与えないようにする技術開発をNEDOの委託研究でしている成果報告を聞いたところだが、電力会社なら自分の手がけるものだから好きなように扱うことができる。1万キロワットからの出力変動は大きいし、その変動はまさにお天道さん次第。その変動を自分の発電所として設置する場合どこまで抑制しようとするのかしないのか。情報を公開してほしいものだ。
報道では大阪府の造成した埋め立て地に設置されるそうだが、稼働に入るのは2009年というから1年ほどで使えるようになるということだ。地盤の強化もそれほど気を遣わなくても良いだろう。分散型電源はモジュール化しているものが多いので、設計から稼働までのリードタイムが小さいのが大きなメリットだとされているが、その典型みたいなものだ。このリードタイムは多分直流を交流に変換するパワーコンディショナの設計と製造に必要なものではないかと思う。
これだけ大きいと、全部の電池パネルが一瞬にして太陽の陰になることはなく、太陽に雲が時々かかることがあっても、出力低下のスピードは遅くなるはずだ。しかも、都市部の近くに設置されるから、夏の冷房需要で電気需要が急増するときにフル稼働してくれるし送電ロスもない。燃料を使わないから炭酸ガスの排出の心配もなくRPS比率を上げる効果もある。冷却水の必要もない。また、関西電力の持つ発電規模から見ると微々たるものだから、これ自体のキロワット辺り建設コストが通常の発電所の2〜3倍であったとしても、利益を圧迫する心配はなく、逆に、1万キロワット相当の火力発電所の稼働を抑えられることで全体としてみたコストは下がるかも知れない。
これが稼働状態になってから1年ほどしたら、経営指数としてプラスなのかマイナスなのかの資料を公開してほしい。それは企業の社会的責任(CSR)だろう。建設コストはどれくらいだろう。