効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

タイのバイオ燃料

タイではこの2月1日から自動車燃料に2パーセントのバイオ燃料を入れたもの(B2)を使用することが義務づけられた。そして、タイの国営石油会社PTTは、その所有する1,200のガソリンステーションで、この7月からそれを5パーセントにしたB5に入れ替えると発表したようだ。タイでは2012年からバイオディーゼルの使用が義務づけられることになっている。
B5を供給するためには、月に2,200万リットルの純粋バイオ燃料B100が必要となるが、その内1,900万リットルはPTTの子会社が供給できるそうだ。現在はB2とB5が入り交じって販売されているが、いすず自動車はユーザーに、B5でも特に支障はないと通知したようだ。他の自動車メーカーもそれに追随するだろうと予測されている。バイオ燃料の製造にはパームオイルが使われることになっていて、増産が指示されているとのこと。
日本ではまだこのような本格的なバイオ燃料の使用は始まっていない。バイオ燃料の製造能力が国内にはほとんどないからだ。だが、タイでパームオイルからのバイオ燃料の製造が拡大すると、そのために森林が破壊され、パームオイル製造の過程で出る廃棄物が、大規模な環境破壊を起こすことも心配される。パーム椰子の絞りかすの処置が問題だし、油を精製した後の残渣が実際に河川の汚染を起こしているのだから、自動車用燃料だけがいい格好をしてもトータルとして環境に良い結果を生むかどうかは分からないだろう。