効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

日本は希金属の資源国

物質・材料研究機構の調査によると、インジウム、銀、アンチモン、金など、電気製品の製造に欠かせない金属類が日本には大量に蓄積されているそうだ。日本に鉱脈がある訳ではなく、輸入して製品に組み込まれた量から輸出された量を引いたものが国内に残っているという計算をしたわけだ。このような金属の生産国はいま需要の高まりの中で輸出制限などを始めているが、もし国内で廃棄される電気製品からこのような金属を回収するシステムが機能すれば、日本がこのような金属の産出国になる可能性もある。
特に多いのがインジウムで、世界埋蔵量に対する国内蓄積量の比率は61%になるという。金は16%、銀は22%というから凄い。世界消費量との比較では、二次電池材料のリチウムが7.4年分を蓄積しているし、プラチナも5.7年分とのこと。
これに着目して、廃家電や電子基板からこのような金属を回収するシステム作りを始めた東北大学の先生がおられるそうだ。その新聞記事を探したが見つからない。いま廃家電の大部分は埋め立てられてしまっているが、金属回収がうまく行けば、レアーメタル(希金属)を政治的に利用しようとしている中国などに対抗すると同時に、供給国にもなれるかもしれない。携帯電話に利用されている金の量は、金鉱に含有される金の量に比べて一桁多いと聞いたこともある。一部は回収されているらしいが、本格的なプロセスはまだないために、廃品として輸出され、それが外国で金属分離作業によって回収されるようになるとすれば、日本にとって大きな損失となるだろう。
資源の有効利用の方策として真剣に考えなくてはなるまい。
http://www.nims.go.jp/jpn/news/press/press215.html に調査結果が発表されている。