効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

経産省、窓の断熱性能に4等級

今日の日経新聞に、経済産業省が、環境に配慮した窓の普及を推進するために、断熱性能の高さに応じて製品を4段階に区分してラベルで表示する制度を導入する方針を決めたと報じられている。消費者が断熱性能の優れた製品を選びやすいように星印で表示することで省エネルギーを進めて温暖化ガス削減につなげる狙いだそうだ。具体的に断熱性能を表示するのは、窓とガラス、窓の外枠となるサッシの3種類。
ここでも消費者の意識に訴えることしかしていない。高い基準のものを選択すれば何か固定資産税が安くなるような誘導政策を導入しなければ、大きな効果が出るとは考えられない。トップランナー方式で効率の高い電気機器の開発競争をメーカーにさせるのは悪いことではないが、それを購入した消費者が消費する電力が少なくなることでメリットを本当に感じるのかどうかは分からない。効率の高いものはどうしても価格は高めになる。高い価格でも消費電力が少なくなりますよと言う情報だけで消費者が積極的に動くとは考えにくい。高効率の機器を導入すれば税金が安くなるとか、何かのクーポンでも入手できて得になる実感が購入時に分かるようにしなければ実効は出ないと思う。低い効率のものを買うとペナルティーを払うという逆方式でも構わない。
この記事の記述に妙なものがあった。窓の断熱性が高ければ、冷房の設定温度を通常より高くしても涼しさは保たれるため、電力消費を節約できる、とある。もしこの説明を経産省がしたとすれば大きな間違いだし、記者が解釈したとすれば理解の間違いだ。設定温度を今まで通りにしても電力消費を少なくできるというのが正しいはずだ。こんな説明をしながら新たな削減策を講じたと政府がいうのは、何もしていないと非難されるのを避けているだけである。結局消費者が行動してくれなかったとして、消費者に責任を押しつけるための言い訳にすぎない。ますます世界の動きに取り残されるだろう。