効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

原子力発電とCDM

今日も経団連会館へ足を運び、日本コージェネレーションセンターのシンポジウムへ出席した。自分の関心が高い分野だけに、フロアーからの質問をしたりして自己満足していたが、参加者にはうるさがられたかも知れない。コージェネレーション(熱電併給)はエネルギー消費効率を上げる有力な手段である。
ところで、バリで開催される気候変動防止条約13回締約国会議で日本が途上国の原子力発電の建設支援をするのを京都メカニズムの一つであるCDMに加えるよう提案したと報道されている。CDMは、先進国が途上国の炭酸ガス排出を抑制するプログラムを協力して実施した場合、その抑制分を先進国が自国の排出量削減分としてカウントできるという一種の救済制度だが、最終的には国連内の組織の承認を得なければならないので簡単な話ではない。
世界的に原子力発電を新設しようとする動きが活発になり始めているとはいえ、安全性の問題があることは確かだし、原子力発電よりも自然エネルギーの方に力が入っているEU諸国が原子力発電をCDMに入れることに賛成するとは思えない。日本は確かにエネルギー消費について効率よく行っていることは確かだが、自国から排出する炭酸ガス排出総量を減らすのが難しいからといって、他人のふんどしで相撲を取るようなことばかりを考えていると世界から相手にしてもらえなくなるだろう。原発核兵器の拡散にも関わる問題だけに、日本の核に対する今までの姿勢と矛盾する事態が起こらないとも限らない。
自分の気持ちとしても、日本の提案が受け入れられないことを願っている。