効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

原子力発電はグリーンか

エコロジー関連のMLで知ったのだが、有限責任中間法人日本卸電力取引所(JEPX)において、11月17日(月)より、「グリーン電力等の卸電力取引」(略称:グリーン電力卸取引)を開始されたらしい。グリーン電力が電力卸市場で売買されるのは一つの進歩だと思っていたのだが、経済産業省の説明を読むと、グリーン電力の定義として、原子力や水力、風力、太陽光などの、発電時にCO2を排出しない電源から発電される電力のことだとなっている。これはひどいことになった。原子力がグリーンだなどと世界でどの国が認めるだろうか。日本の独自性だというかもしれないが、もし原子力再生可能エネルギーと同じだというのならば、年間発電量の中に占める再生可能エネルギーの比率を定めたRPSに関しても、日本の電力会社のRPSは大きなものとなってしまう。新規の原発だけがこれに該当するという論理かもしれないが、いくら日本が原子力を推進することでCO2の排出を抑制するのだという立場であるにしても、あまりにもこじつけに過ぎる。
水力についても、その規模について定義をしていない。大規模なダム式水力発電再生可能エネルギーの中には入らないのが世界の趨勢だが、原子力を入れるのであれば大規模水力もグリーン電力を発電しているということになる。経済産業省のコメントの中に、こうした取り組みを通じてCO2排出係数の良い電力の小売りが促進されることや、原子力や水力、風力、太陽光などのゼロ・エミッション電源の開発が推進されることを期待するというものがある。このコメントの重点はおそらく原子力に置かれているのだろう。これにバイオマスを燃料とした発電はかかれていないが、・・・・など、の中に入っているのだろうか。
家庭用の太陽光発電については、取り付けたところで消費しなかった分を余剰電力として電力会社が売買同価格で買い取っている。それをグリーン電力として高く売ることができるとすれば、設置者の投資したもので利益を得ることになる。このあたりの仕組みがどうなっているのか、発表資料を見ただけではよく分からないが、いずれにしろ国際的に通用する仕組みではないだろう。この背後には電力会社の大きな政治力が働いているのだろうと思う。