効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

Cool Earth 50

今日大阪であった地球温暖化対応に関するセミナーで、安部前首相が提案し、日本の環境対応策として推進されている美しい星50、Cool Earth 50、の裏付けとその実現可能性を聞く機会があった。結論としてかなりのことをやってもこれが提唱する2050年に炭酸ガス排出を現状から半減させるのは非常に難しいということだ。その実現に向けて大きな役割を果たすのが、火力発電所から排出される排ガスから炭酸ガスを抽出して地中に再埋め込みするということと、原子力発電の建設が最大限に行われることが必要なのだが、果たしてそれが簡単に実現するかどうかは極めて不透明である。一方、再生可能エネルギーの貢献度は驚くほど低く算定されている。
特に先進国である日本には50%より大きな削減を求められるだろうが、日本列島で炭酸ガスを地中に圧入できる場所を見つけることがまずできないだろうし、必要とされる原子力発電の建設は無理だろう。とすれば、外国でのこれらプロジェクトに参加して排出権を買う以外に方法はない。しかし、外国でもクリーンコール技術や、炭酸ガス抽出圧入が円滑に推進できるという保証はないし、原発についても予定される基数が建設されるかどうか分からないのが実情だろう。
一方では、現状より50%炭酸ガス排出を削減しても、地球の表面気温平均で2度以上に上昇すると予測されているのだから、何をやっても無駄という感じが出ないでもない。肝腎なことは、技術任せではなく、自分だけでもライフスタイルを変えることによって資源消費を少なくしながら生活の満足度を下げないようにするということだろう。小さいことの積み上げになるが、そうすることが自分たちの子孫が持続的に生きていける環境を自ら守ることになると思って実行する人が増えなければならないということだ。