効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

ウオーター・ニュートラルと廃棄物ニュートラル

英国のEJCという調査会社から送られてきた情報だが、企業の間でウオーター・ニュートラルと廃棄物ニュートラルという概念に基づく事業行動が具体化しつつあるという。カーボンニュートラルという言葉がそれほど珍しくないものになったようだが、それよりももっと身近な環境対応行動基準としてこれから一般化するかも知れない。
ウオーター・ニュートラルは、コカコーラ社の事例で説明されている。同社はインドのボトリング工場で使用される水の量を巡って地域住民との間に紛争が起きたが、水の使用法や排水の処理を順次改善することによって、最終的に製品に含まれる水の量と同じだけの水を枯渇した貯水池に戻す形で、オフセット(相殺)するようにすると発表したそうだ。このウオーターニュートラルは、世界規模で実施されるのではなく、ローカルの水問題にどのように対応するかが問題となる。英国政府は、水資源が限られているところでの地域開発を可能にするために、地域全体で節水システムを普及させることにより、水の新しい需要に対応することをウオーター・ニュートラルと定義しているようで、概念的にはまだ固まっていないようだ。
地球上で人間社会が必要とするだけの水を供給することが将来難しくなることが確実である時代に入って、エネルギーだけでなく水の有効利用の具体的方策が真剣に検討されなくてはならないだろう。
廃棄物ニュートラルは、英国政府の定義によると、リユースされた建築資材の量と使用されたリサイクル資材の量の合計が、廃棄物の量と釣り合うこと、となっているそうだ。リサイクル資材の使用が難しい建築物もあって、この定義通りには動きにくいが、これを事業の質判定基準として達成することを表明している会社も幾つか出ているそうだ。英国の主要政府機関の建物は、2012年までにこの基準を達成することが目指されているとのことだが、基準の客観的な指標作りとその判定はなかなか難しいだろう。