効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

周波数変換設備を継続利用する東京電力

電力需要がもっとも大きくなる夏が過ぎて、東京電力の供給能力には余裕が出ているはずだが、秋になっても電力周波数変換設備をフルに使って、60ヘルツ地区から電力を購入していると報じられている。何かの非常事態が起きたときのために、最大100万キロワットの容量には常にある余裕を持たせるのがルールになっているのだが、その余裕をかなり圧迫するほどの量を変換設備経由で調達しているそうだ。
これは必ずしも東電の供給能力に現時点で問題があるということではないが、柏崎・刈羽原発で7基の設備が止まっているために不足する容量を補うために、石油を燃料とする古い火力発電所を稼働させているが、設備を連続して運転するとトラブルが起きる可能性もあって、計画的に停止させることがあり、その時に60ヘルツ地区から電力を調達する必要が出るそうだ。また、原油の高騰で高い燃料を使って発電するよりも、この設備軽油で電力を他社から購入する方が安くつくということもあるようだ。
秋の電力需要は比較的低めの筈だが、これから冬に向かって暖房需要から来るピーク需要が出てくる時期を迎えるときに、いまでも周波数変換設備の容量を頻繁に使っているとすれば、冬のピークが本格的になったときに供給能力は大丈夫だろうか。オール電化ハウスをいままで拡販してきたために、冬の電力需要のピークはいままで以上に大きくなるはずだ。夏であればそれなりに消費者も電気の使用を抑制するのに協力してくれるだろうが、冬に暖房を使わないでほしいと呼びかけたとしても理解してくれる人は少ないだろう。もし冬のピークに古い石油火力が故障して想定外の停止をしたりすると、供給に支障が出る可能性もあるのではないかと心配だ。古い石油火力発電所発電効率も悪いから、高い燃料を使っているコストがさらに高くなって、経営的にもつらいところだろうと思う。
東京電力管内で今年の冬には電力需要がどのような伸びを示すだろうか。