効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■エネルギー政策混乱の再開

原子力発電を巡って、エネルギー政策の混乱が再開された。原子力規制委員会は29日の定例会合で、日本原燃が本格稼働を目指す使用済み燃料再処理工場(青森県六ケ所村)について、安全対策が新規制基準に適合しているとする審査書を決定、安全審査に正式合格した。いずれは合格させなければならない筋のものだが、これを受けて日本原燃は、令和3年度上期の完工を目指すが、今後も詳細な工事計画の審査などが続くほか、本格稼働には地元の青森県と六ケ所村の同意が必要で、稼働時期の見通しは不透明な状況だ。再処理工場は原発の使用済み燃料から、再利用できるプルトニウムやウランを取り出すのだが、燃料を繰り返して使う国の「核燃料サイクル政策」の中核施設で、今回の合格は本格稼働に向けた大きな一歩となると報じられているが、自分から見ると、新たな混乱の大きな第一歩だと受け止めている。

まず本格稼働ができるまでの補修が順調に行くかどうか。これまでこのプラントの建設稼働にはトラブルが続き、安全審査に合格したことが、トラブル解消を保証するものではない。当初97年の完成を目指していたが、度重なるトラブルや規制の強化で原燃は完成時期を24回遅らせた。そして、もし順調に稼働を始めて、ウランやプルトニウムの回収が進むと、新たな問題が出てくる。まず放射性廃棄物の蓄積が進むが、その保管場所が示されていない。また、ウランは別にして、核燃料サイクルともてはやされたプルトニウムを燃料にする発電炉であるもんじゅが既に廃炉となっているから、一部は海外でプルサーマル用のウラン・プルトニウム混合のMOX燃料にするとしても、それを利用できる原発が国内には現在4基しかない。消費されないプルトニウムが積み上がると、日米協定で定めた国内で保有できるプルトニウムの量を早晩超える事態となる。日本はこれまで海外に委託して再処理した分を含めて既に約46トン(18年末時点)のプルトニウムを持つ。米国は日本に余剰プルトニウムの削減を求めており、これ以上増やすのは難しい。MOX燃料の製造も英国やフランスに依存しているから、今後両国の原発政策の変化で、製造を断られるかも知れない。

このようなことになると、完成した再処理工場を解体する事態も考えられる。そうすると、さらに放射性廃棄物が増えることになり、その処理方式が決まっていないために、解体もできなくなるかもしれない。責任の押し付け合いになるだろうが、エネルギー政策に於ける原発の位置づけを早くしないと、ますます問題が大きくなり、対立も深まることになるのではないかと思う。原子力発電を巡る政策は出場所のない迷路に入った可能性が高い。

 

 

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