効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

原油価格高 記録更新

今日のニュースに、15日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場は5営業日続伸、WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の11月物は前日比2.44ドル高の1バレル86.13ドルで終えた。一時86.22ドルまで上昇、9月20日に付けた過去最高値(84.10ドル)を大幅に更新したと出ている。その背景には中東の政治情勢が不安定化していることがあるという。供給不足によるものではないようだが、これから世界的に需要期に入ってどの程度の価格で取引されるだろうか。この上昇は当然日本のガソリン価格や灯油価格に反映するだろうし、さらには、原子力発電所稼働率が下がっているために石油を多く使用する電力価格も上がるかもしれない。化学製品も当然上がるだろう。
近所のうどん屋へ行ったら、材料や燃料費の上昇のためにという理由で、いままで250円だったきつねうどんが280円に値上げされていた。10%以上の上げ幅だ。小麦粉も油揚げの原料の大豆も大半が輸入品だから、最近の世界的穀物価格の上昇がもろに出ている。これは米国でガソリン代替のエタノール生産に使われるトウモロコシ需要の高まりで、小麦や大豆の作付面積が圧迫されたこともあるし、世界的需要の高まりに加えてオーストラリアの旱魃による不作も影響しているそうだ。
小麦についてみると、輸入小麦は政府が全量を買い入れ、国内小麦農家への助成金や必要経費を上乗せして製粉会社などに売り渡される。政府は2007年4月から、売り渡す輸入小麦の価格を国際相場に連動する方式に変更している。小麦価格の高騰を受け、政府は10月から売り渡し価格を10%引き上げた。国内の小麦の総需要は約570万トンで、うちわずか約80万トンを国産で賄い、約490万トンを輸入に依存しているのだから、われわれが口にしている小麦製品はまず間違いなく輸入物。うどん屋さんの値上げ率との相関は強い。
エネルギーの自給率も食糧のカロリー換算自給率も先進国の中でもっとも低い日本は、これからどのようにすれば安定した国民生活を維持できるのだろう。生活の基本要素が2つも国外依存だとすると、国際政治の場で脅しの材料にもなりかねない。それを跳ね返す力をどこから手に入れるだろう。