効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

コメントをいただいて

『今まで使っていた旧商品を優先的に下取りをするようにすればー効率の悪い物から良い物に間違いなく入れ替わったと言うことでーさらに良いのではないでしょうか?』 というコメントをいただいて、『本当にそうだと思います。現に米国では電力会社がほぼ同じことをやっています。それをやれるように、各州の規制当局がその費用を料金原価に入れることを認めているのです。日本の電力会社は全て政府任せ。政府は消費者の意識任せ。これを変えないと、下取りコストをメーカーにだけ負担させることになって無理があると思います。インセンティブをどのように組み込むかが重要ではないでしょうか。』 と反応しました。
たまたま、今日の日経産業新聞の一面に、「大画面テレビが消す家庭の省エネ」というタイトルでの記事があったので、コピーします。
「-------家庭の電力消費の4分の一を占めるエアコンをはじめ、白物家電は省電力設計が開発のキーワードになり、消費者の商品選択のポイントにもなっている。
一方、テレビの場合は事情が少し異なる。2000年当時の29型ブラウン管に対し、最新の32型液晶は高精細化などにもかかわらず、消費電力は1割減。ただ、37型液晶となると消費電力は2割強増える。テレビでも省電力は重要テーマ。シャープが2010年の商品化を目指す次世代機は52型でも消費電力は29型より低くなる。技術革新は重要だが、市場はより大画面を求める。迫力のある映像を楽しみたいという消費者の欲求は止められないが、環境のことを考えるなら、テレビの省電力性能にもう少し関心を示してもいい。」――ここまで引用。
コメントいただいたように、効率の悪い電気製品を優先的に下取りして効率の高い新製品にすることができればいいのですが、その時に、もう少し大きいサイズのものにしたいという希望に応えるとエネルギー消費は増えるかもしれません。置き換える商品の対応表が必要になります。
米国の電力会社の多くが行っているのは、置き換えれば確実に電力消費が落ちる新型電気冷蔵庫と、効率の悪い白熱電球の電球型蛍光灯への取替えです。基本的には同じ機能の置き換えです。これは、米国の電力会社が供給能力の限界に来ているところが多いという事情から始まったのですが、最近では環境対応としても推進されるようになっています。
日本の電力会社の供給能力は、新潟沖地震原発が止まるまで十分以上の余裕を持っていました。経営的に見ればできるだけ沢山電気を使ってもらうのが収益に結びつく状況ですから、電力会社が自ら電気の販売量を減少させるように動いてもらうのを期待するのは無理だったのです。
しかし、最終的なコストは電気の消費者が負担することになるのですが、たとえば電力消費が20%以上減る同じ機能の商品への買い替えには商品価格を割り引く優待券を一般家庭顧客(ほぼ日本の全世帯になるでしょう)に配布するとすれば、かなり有効な置き換え策になるでしょう。その配布と割引のコストは電気料金に反映させても良いと国が認める、あるいは、環境対応として税金で補填するのも可能でしょう。その場合旧製品は確実に回収されないと電気の消費量は減りませんから、製品のメーカーに責任を持って引き取って貰う方法を考えなくてはなりません。
長くなってしまいましたが、消費者には「足るを知る」、エネルギー供給事業者には拡販至上主義からの脱皮をしてもらわないといけないのでしょう。少し前の本ですが、「アラン・ダーニング著、原題How much is enough? 邦題 どれだけ消費すれば満足なのか−ダイヤモンド社」に消費への警告が出ています。絶版かもしれませんが。