効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

電力市場全面自由化

日本の電力市場完全自由化を2016年に実施するための電気事業法改正が今日衆院本会議で可決成立した。電力10社が地域ごとに販売を独占してきた体制を改め、家庭などの消費者は契約する業者を選択できるようになる。この法改正によってこれまで継続されてきた電力会社の供給義務がなくなる。電気の届かない地域が生まれないよう、送配電網を持つ電力会社に離島などへの供給の最終的な責任を持たせる。そして、電力会社による地域を越えた競争や異業種からの新規参入を促す。電力会社への料金規制は競争が十分に進むまでは残すということだが、米国の事例で、卸電力価格が急騰した時に認可料金が上がらなかったために破産した電力会社もあるということは知って置いた方がよいだろう。続いて発送電分離が行われることになるが、政府は2015年の通常国会にこれに向けた改正案を出すようだ。この分離形体がどのようなものになるかによって、全面自由化によって新規参入の電力事業者のシェアが上がるか、あるいはどの程度消費者が供給事業者を選択できるかが決まってくるだろう。東西の周波数が異なるという特殊な環境を克服できるかどうかに注目したい。