効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

企業の自家発電設備

企業による自家発電設備の新設や増設が広がっていると報じられている。東日本大震災後、日本全体で原子力発電所7基分(約700万キロワット)に相当する設備が増えた。震災後に電力不足や計画停電に悩まされた企業は非常用電源として設備を増強。さらには、電力会社間の競争を促すため4月に電力小売りが全面自由化されることを受け、自家発電で余った電気の外部への販売拡大もにらみ、発電事業者として存在感を増している。これからは、大規模集中型発電よりも、このような分散型発電設備の方が望ましいとする論も増えている。自分が10年ほど前に翻訳出版した「スモール・イズ・プロフィタブル」(エイモリー・ロビンス著、省エネルギーセンター)にも既に述べられているが、電力が消費されるところに発電設備が設置されることによって、エネルギー効率も高まり、電力供給の安定性も上がり、地域の送配電設備の効率的運用もできる。この本の主張は、いま見られる世界の動向を正確に予見したものだと思う。これに分散設置された蓄電設備を組み合わせてやると、特に太陽光発電の有効利用が飛躍的に高まる。蓄電池の価格も下がっているし、国も設置を奨励する補助金も出しているから、今後普及することは確かだ。エネルギーの効率的利用と地産地消に向けた方向としても重要な物となるだろう。これによって原発の重要性は確実に小さくなるはずだ。