効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

高効率が商品価値を高める

松下電器は、エネルギー効率の高さが業界首位の製品を2009年までに現状の2倍に増やし、業界下位の製品をゼロにする計画を発表した。エネルギー消費効率の高さ、いわゆる省エネ性能が製品の売れ行きを左右する要素として重要性を高めると認識するようになったということだ。
日本の家電製品については、トップランナー方式というプログラムが推進されている。省エネルギーセンターのホームページの説明によると、このプログラムは、「自動車の燃費基準や電気製品(家電、OA機器など)の省エネ基準を、それぞれの機器において現在商品化されている製品のうち最も優れている機器の性能以上にする。」という考え方から生まれたもの。つまり、それぞれの機器を作る時に、燃費や省エネ性能(エネルギー消費効率)がトップの製品にがんばって追いつき追いこしていこうというものだ。
トップランナー方式では、ある製品のエネルギー消費効率が、定められた目標基準をどの程度満たしているかがラベルで分かるようにすることによって、商品を購入するときの判断にエネルギー消費効率を組み入れてもらおうとしている。いままで消費者は、機器の機能と価格で買うかどうかを判断してきた。そこに消費者が必要とする機能を達成するのに必要なエネルギーが少ないものを選択するという判断基準を新たに組み込んだのだ。
この基準を重視する消費者が増えているのは確かだろうが、どれほどの重みをもつかは必ずしも明確ではない。いままで家電製品では多機能を競ってきた。しかし、あまりに多機能になったために使いにくくなったというマイナス側面もある。また多機能であるためにエネルギー消費が増えることも当然あるだろう。多機能製品を製造するためのエネルギーも多くなるかもしれない。
地球温暖化を懸念する人が増えている中で、エネルギー消費効率の高さ、つまり、自分が電気製品を使う時に、発電所からの炭酸ガス排出をできるだけ増やさないようにしたいと思っている人は同じように増えているはずだ。松下電器が会社の方針として自社製品のエネルギー消費効率を業界の上位にしようということは、消費者にとって効率的にエネルギーを使うということが、機能性、ファッション性と同じ程度に商品価値として重要になっていることを意味するのだろう。