効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

市民共同発電所全国フォーラム

大阪市東淀川区にある大阪経済大学で「市民共発電所全国フォーラム」が開催されたのに参加した。市民が主体に太陽光、風力、小水力バイオマスといった再生可能エネルギーの利用を促進するプロジェクトの現況報告と将来への取り組みを検証する会合だ。5回目に当たるそうで、各都市で持ち回りをしているのが、今年は大阪になったようだ。今日と明日の二日にわたってあるが、自分は今日だけの参加。300人くらいだろうか、大きな会議室が一杯になっていた。
民共発電所で馴染みがあるのは、市民がいろいろな形で資金を集めて建設する太陽光発電と大型風力発電である。今までに全国で185基(太陽光発電が165基、市民風車と呼ばれる市民共風力発電所が10基、小型風車が9基、小水力発電が1基)が設置されており、来年度には200基を上回ると予想されている。185基の総発電設備容量は15,693.3kWとなり、太陽光発電も1,040kWになっている。
民共発電所は、寄付によって建設資金を集める方式で始まったが、最近は市民による出資で建設し、稼働によって得られた収益から出資に対する利益配分をする形のものも生まれている。しかし、新エネルギーに対する補助金以外には、発電された電力を高く購入するような制度的促進策がないために、このままであると市民の善意に頼る施策では息切れすると憂慮する声も強かった。また、再生可能エネルギーを発電ではなく、燃焼によって熱に使う場合には、その環境価値を評価する制度的促進策が全くないために、化石燃料と市場で競争せざるを得ない。熱利用にも何らかの促進策が準備される必要があるとの声も聞かれた。
世界的に再生可能エネルギー促進策が打ち出される中で、日本では原発促進から脱皮できていないために、再生可能エネルギーの拡大は、量的にも伸び率から見ても趨勢から落後しつつあることは確かだ。今後新しい促進策が打ち出されるような社会的雰囲気を作るためにも、市民レベルでの実績作りが欠かせないだろう。