効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

定年前後の夫の「食の自立」

才媛というとご本人から叱られるかも知れないが、自分と同年代の友人で消費者問題や食周辺のことに強い女性が著書を送ってくれた。「55歳からの 『夫婦の食育』」 と題するものだ。老いも若きも夫婦で読むべし、というリンボウ先生こと林 望 氏の推薦がついている。彼まで引っ張り込んだのには驚いた。
この著作は、50〜70代の主婦120人に行ったアンケートが下敷きだ。その3分の2には追加取材でインタビューをしているから、かなり生の声が入っている。要するに、定年で家にいることが多くなった夫族が、主婦の主職だとされている食事の準備、調理、後かたづけに対する姿勢にどれほど変化を見せているかをレポートしているのだ。夫も料理すべしと説いているわけではなく、食を妻任せではなく、自分が何を食べていて、それが健康にどのように関係しているかにも知識を持っていてほしいというお勧めをしている。
この本によると、定年後自分で料理をし始めた夫族が結構多いようだ。その全てが料理に目覚めたわけではないが、妻の負担を減らそうと心がけているのだろう。かえって後の手間がかかるからやめてほしい、あるいは自分の城に入らないでという妻もいる。しかし、概して夫が台所に入るのは歓迎されているようだ。
自分で食事を作ってみると、変化をつけるのに結構頭を使うし、栄養のバランスなどにも関心が高まるのは確かだ。しかし我が家では、食材の買い入れと後かたづけで支援するだけの方が無難かも知れない。あなたが料理すると、いろいろなものの置き場所が変わって困るとよくいわれるからだ。料理専任にはなりたくないし。
子どもも手が離れ、若い頃からの仕事からも離れる年代の夫には、まだまだエネルギー一杯の人も多い。そのはけ口を料理に向けるのも良いことだなと思った次第。
若村育子 著  山海堂 1,300円