効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

海外も注目する日本の原発

柏崎刈羽原発が強烈な地震によって稼働中のプラントが全て停止を余儀なくされたことは、海外のエネルギー関係者からも注目を浴びていることは当然のことだろう。いろいろなメディアがレポートしているが、米国の友人から、彼が読んだエネルギー関係雑誌の評論に誤りがあるので抗議すべきではないかとのメールを受け取った。私だけあてのものではなく、彼が関係する人たち皆に送ったメールが来たのである。
その評論は、今回の停止の原因や東電の対応などについては概ね妥当ではあったが、その背景として述べている日本の原子力発電設備の状況について、現在13基が建設中であると説明していた。まるで、日本は原子力発電所の建設について、いけいけどんどんであるかのような印象を与える。
しかし、実際には、現在稼動中の原発は52基で、2基が建設中、11基が計画段階にある。計画段階のものを建設中と誤って受け取ったものだ。計画というのは、ここに建設したいと正式に表明されたもので、一応政府の将来計画の中には組み込まれているものの、建設にはゴーがかかっていないものである。この誤りについては、原子力資料情報室という原発に批判を続けているNPOからきっちりとした訂正の抗議が提出された。この訂正が雑誌にどのような形で掲載されるか、あるいはされないか、その結果は友人からまた連絡してくれるだろう。
いままでは、原子炉が格納されている建物外にある設備の損傷しか公表されなかったが、このほど建物内の重要設備であるクレーンが損傷していることが分かった。7つある原子炉のうち一つでこのような損傷があったということは、確率的に考えても何か違った部位で致命的な損傷がないとは言えないだろう。その確認には、放射線があるために人間が入って確認することができないだけに、困難が伴う。
まだまだ何かが出てきそうだ。内外の原子力発電関連業界にとっては大きな逆風になることは確実だ。その逆風を緩めるものとして何が出てくるか、興味津々である。