効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

新潟・長野を襲った震度6強の地震と東電柏崎刈羽原発の火災

今日16日午前10時13分、新潟・長野を震度6強の地震が襲い、柏崎市周辺で家屋の倒壊などかなり大きな被害が起きた。同時に、東京電力柏崎刈羽原子力発電所でこれを原因とする火災が起きたことが報じられた。午後3時過ぎにも同じ程度の地震がこの地域で起きている。地震で亡くなられた方へのお悔やみと、被害を受けられた皆さんへお見舞いを申し上げたい。
東電のホームページで見ると、この柏崎刈羽発電所には7基の原子力発電設備があり、1,5.6号機は定期検査中で停止していたようだったが、稼働していた2,3,4、7号機は11時の時点で停止中となっていた。地震を検知して自動的に停止したのだろう。1〜5号機はそれぞれ110万キロワット、6,7号機はそれぞれ135.6万キロワットだから、予想のできない地震の発生によって、おそらくフル稼働していたはずの465.6万キロワットが一斉に系統から脱落したことになる。この分だけ総発電量が減るわけだから、どこか他の発電所が瞬時に発電量を増やすことによって停電の発生を防止したはずだ。素晴らしい対応力だと感心する。同じ対応力はどの電力会社も持っているはずだ。ところが北海道電力九州電力のように、大きくてもせいぜい数万キロワット規模の風力発電の予想できない出力変動に対応が難しいからとして総設置規模を制限しているのが理解できない。電力需要が落ちる深夜に風が吹いて発電すると、原発や石炭火力のようにフル稼働することで経済性を出している設備の稼働に影響するということもあるかもしれないが、各地に散らばっている風力発電設備が一斉にフル稼働することはないのだから、何かためにする制約を課しているような気がしてならない。
それはともかく、地震柏崎刈羽原発の変圧器が火災を起こしたことの影響も大きいように思う。この変圧器は、原子力発電設備を制御するために設置されている通常のタービン発電機に付随するものだと報道されている。東電のホームページに流れている情報では3号機に付随するもののようだが、この火災によって原子炉などの制御用に使われる電力を供給するこのタービン発電は停まったはずだ。もしこの設備に完全なバックアップがなければ、3号機の原子炉の停止制御に何らかの影響を与えたかもしれない。影響があったとすれば、それが軽微なものであることを願うばかりだ。もし影響がなかったとしても、この変圧器の予備をすぐ手配して取り替えが完了するまでの間3号機は稼働できず、110万キロワットの発電能力が死ぬことになる。この期間が長くなると、これからの冷房需要によるピークへの対応はこの規模の火力発電を稼働させて賄わなければならないだろう。停止した他の原子炉周りのチェックも、大きな揺れがあっただけに時間がかかるかもしれない。東京電力も大変だ。
この地震の余震が続きませんように。