効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

家庭用SOFCの実証テスト開始

新エネルギー産業技術開発機構(NEDO)が新エネルギー財団に助成を行って、家庭用規模の固体酸化物電解質燃料電池SOFC)の実証テストを今年度から開始することが決まったと発表された。システムを提供する企業は、京セラ、TOTO新日本石油。京セラの1kW級システムを大阪ガスが20基、東京ガスが3基、北海道ガス西部ガスがそれぞれ1基テストする。新日本石油は、灯油を燃料とするものとLPGを燃料とするものをそれぞれ1基テストする。TOTO天然ガスを使う業務用2kW級を2基テストするとのこと。家庭などに今年度取り付けられる数は全部で29基。
燃料電池本体が600−800度という高温で作動し、発電効率が今回テストされるものについては45%と、現在1000台以上がテストされている固体高分子型のものの36%程度に比べてかなり高い。作動温度が高いために排熱温度も当然高くなり、給湯だけでなく暖房やいま普及し始めているミストサウナに必要な蒸気も将来作り出すことができるだろう。蓄熱についても水を媒体とするだけではなく、100度以上の温度で相変化を起こす化学物質を使えるようになるかもしれない。
一台について最大2,000万円の助成が行われるが、従来考えられていたうよりかなり早い時期に実証テストが行われることになったことは嬉しいことだ。欧米に比べて熱需要が少ない日本の家庭で設置するには、できるだけ発電効率が高い方が望ましい。その意味で、SOFCの早期実用化を期待すること大である。
今日は参議院選挙の公示が行われた。年金や憲法第9条が争点であると言われているが、長期的にはエネルギー源の確保と炭酸ガス排出の削減が日本社会を維持するために不可欠だろう。地味だが絶え間ない技術開発が必要な分野である。