効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

再生可能エネルギーと固定価格買取制度

今日貰ったメール情報で知ったのだが、韓国は太陽光発電で発電された電力を、677.38ウオン(89.41円)/kWhという固定価格で買い取ることを電力会社に義務づけている。2004年にこの制度を始めたとは知っていたのだが、具体的な数字を知ったのは初めてだ。ただ、最近のウオンが円に対して非常に強くなっているので、この数字は多少割引しないといけないが、日本の太陽電池の余剰電力買取のように23円というような価格ではないことは確かだ。日本の場合、買電価格と売電価格が同じとなるネットメータリングは、強制ではなく電力会社のボランタリーな制度、いわば恩恵的なものと位置づけられていて、電力会社がその気になればいつでも中止することが出来る。
日本に固定価格買取制度はなく、電力会社に発電量の一定割合を再生可能エネルギーにすることを義務つけるRPS制度を政府が実施している。しかし、その義務量は他国で同じ制度を採用しているものに比べてずいぶん低いと言われている。いわば電力会社が達成できそうな数字にしてあるのだろう。
それはともかく、韓国以外に中国、インドといった、アジアの有力国がすべて固定価格買取制度を採用し、太陽光発電だけでなく、風力、バイオマスといった再生可能エネルギーにも拡大している。京都議定書を批准した日本の本気度が、議定書の義務を負わないアジアの新興国より劣っているといっても過言ではないだろう。再生可能エネルギーからの電力を、10年とか20年といった長期間、買取価格を保証する制度の場合、設備の収益性がかなり正確に予測できる。本当に再生可能エネルギーの普及を促進するのならば、この制度を導入しなければならないのは自明なのだが、日本は担当する省の権限となる補助金制度に頼っていて、制度自体の継続性についても曖昧である。
自分が関わっているバイオガスの利用についても、たとえ補助金を貰って設備を作っても、次の設備更新の時に補助金はまず貰えないのだから、継続的事業を考える人にとっては危なくて手を出しにくいものとなる。これが固定価格買取であれば、更新の時点で当初の買取価格より下がっていたとしても、その時点で収益が平均的に得られるような買取価格に設定されているはずだから事業リスクはなくなる。
補助金とRPSに固執していると、日本がアジアでも再生可能エネルギーの普及について取り残されていくのは明らかだ。