効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

中国が大量の電気自動車を導入

電気新聞で見た記事だが、中国の送電系統網の大半を管轄する国家電網公司が、今後4年間で約2千台の車両を電気自動車に更新するらしい。おそらく国の方針の先触れなのだろうが、国内で電気自動車を普及させるために、同社が率先して大量導入する。導入する地域は、北京、上海、天津、山東省、浙江省湖北省湖南省というから、広域での試みである。この地域での実証テストを行うために、08年の北京五輪が開催するまでに充電スタンドを整備し、その後車両を電気自動車に更新する考えだという。第11次国家発展5ヵ年計画(06〜10年)の最終段階には約4,200台の電気駆動バスが上記の地域で走行することになるらしい。
中国はどの都市を見ても大気汚染が厳しい状況にある。そこへ自動車が急増しているから、単に燃料消費効率の良い自動車の導入という施策だけでは追いつかないために、一挙に電気駆動の自動車の導入に踏み切ることによって、世界に決意表明をしたような感じがする。オリンピックに向けての環境対応姿勢をアピールするものでもあろうが、充電に要する時間、電池の耐久性、電池重量軽減、一回充電で走行可能な距離、それに関係する車体重量の低減など、世界的に見てもまだ解決されていない課題が多いものを、まず導入することによって問題解決を促進させようとする戦略かもしれない。導入される車は、限られた一定区間だけを走るもの、それも重い蓄電池を収めることのできる大型のものだろうが、将来の市場を中国に見る世界のメーカーが競って協力する可能性もあるだろう。意外に有効な産業政策になるのかも知れない。