効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

燃料電池が作る水

我が家の固体高分子電解質燃料電池、750ワット、は設置以来順調に稼働している。我々の生活パターンに合わせた稼働をしているのかどうか分からないが、設置当初、排熱回収した温水量がすぐ一杯になったのに、最近は余り溜まらなくなっている。ひょっとすると、電気の需要が少ない深夜には、我々に気づかれないように停止しているのかも知れない。あまり負荷が小さいと、発電効率が下がってしまうからだ。
燃料電池は、水素と空気中の酸素を電気化学的に結合させて発電し、出てくるのは水だとよく言われる。我が家の燃料電池も発電をしているときにはせっせと水を作っているのだ。その水はどうしているか。燃料電池本体の横から細いパイプが出ていて、そこからぽたぽたと水滴が絶えず落ちている。それを受けるパイプは排水溝につながっている。まさに排水となっているのだ。
昔、リン酸電解質燃料電池をテストしているときに、米国から来ていたエンジニアにこの水を飲んでもいいかと尋ねたことがある。その回答は「ノー」だった。極めて純度が高い水であるために、腸に入ると浸透圧の関係で腸壁の内側の成分を吸い出してしまい、下痢をしてしまうというのが理由だった。なるほどと思ったが、純水というのはそれ自体立派な用途があるはずで、下水に捨ててしまうのは勿体ないのではないかとも感じた。薬局では蒸留水を売っているのだが、それと燃料電池から出る純水とは特性が違うのだろうか。
写真はこの純水を排出するパイプであるが、絶えず綺麗な水滴が落下するのを見ると、燃料電池は作動しているなと実感する。