効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■米韓が燃料電池開発に協力推進

 米国の燃料電池・水素エネルギー協会(FCHEA)と、韓国の水素転換事業連合(H2KOREA)が、燃料電池の開発協力推進に向けた協定書を結んだようだ。これまでの実績で見ると、米国の溶融塩電解質燃料電池(MCFC)を開発商品化したFuel Cell Energyの製品を韓国のPoscoが輸入し、設置稼働までの事業化をしている。このところ日本の燃料電池の開発と商品化のテンポが遅くなっているのを気にしていたところだったので、やられたという感じだ。MCFCは発電効率が60%ほどと高く、数百~数千キロワットベースのもの。FCEnergyとPoscoは地域発電と熱供給プロジェクトを次々に実現してきたが、今回の協定はおそらくMCFC以外のもの、例えば日本のエネファームのような高分子電解質形や固体電解質形のような方式のものの共同製品化をすすめるのではないかと思う。

 それに対して日本の燃料電池市場は一向に拡がらず、特に規模の大きなものは皆無に近い。昔中部電力がFCEnergyのMCFCを導入して実証していたが、結局本格的な導入開発ステージに入ることはなかった。おそらく国産化にこだわったために、市場を創造することが出来なかったのだろう。エネファーム(100ワットに満たない)は国の支援もあって拡大基調にあったものが、昨年頃から設置数が減少傾向に入っている。数キロワットから数百キロワットの事業用SOFCは、設置数が全く伸びていない。リン酸型の数百キロ型も新規設置は最近聞いていない。

 韓国は以前から燃料電池の開発に政策的な支援を強化していた。燃料電池からの電力に2006年から固定価格買取制度を適用していたはずだ。その後RPS(電力の購入比率達成の義務化)に移行したようだが、2014年の設置量は330MWだったという文献もある。おそらく米国に次いで生産量は多く、輸出もするようになっているようだ。日本は韓国に大きく差を付けられているが、あまり報道されることはない。この分野では日本は完全に負けたと言える。

 MCFCはその発電原理から、炭酸ガスの回収もできるような方式を採用できるとFCEnergyは以前発表していたが、気候変動対応としても効果が大きい発電装置として育つだろう。今回の協定は、その基盤となるに違いない。日本は追いつけないだろう。

 

-------------

猫、鳥、犬などをモデルにした手作りアクセサリーのご紹介。

https://minne.com/@plusme

https://www.creema.jp/listing?q=plus+me+accessory&active=pc_listing-form