効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

IPCCの水不足への強い警告

国連の気候変動に関する政府間パネルIPCC(気候変動に関する各国の専門家集団)が、地球温暖化によって世界的に水不足が起こる地域が拡がるという警告を発したと今日報道された。水が不足すると言うことは、植物や微生物をも含めた全ての生き物が生き続けられない地域が拡大する可能性があるということを意味する。長男夫妻がいま生活している東オーストラリアは、既に深刻な干魃に直面している。ここは日本の食料供給源だから、食糧自給率が40%ほどしかない日本にとっても深刻なことになるかもしれない。世界的に農業が不振になっているそうだから、食料や飼料の奪い合いが始まると、価格が上がるだけでなくオイルショックと同じような事態も予想される。
オーストラリアでは、干魃への対応として、生活排水を浄化して飲料水にする技術を確立できたので実行に移すという政府の方針が出された。どころが、専門家から、完全に有害物を除去することはできないから極めて危険だとする反対が出されている。生活排水の中には、人間の排泄物が入っている。人間の身体が必要としないもの、あるいは有害なものとして排出したものが入っているのだから、再生した水の中にその一部でも残留していれば、それを再度飲み水と共に体内に取り入れることになる。これが時間の経過の中で蓄積して、まだ知られていない病気を引き起こさないとも限らない。
文明の歴史を見ると、不都合なことに対応するために技術を開発し、当面の目的を達成するが、その成功が新たな問題を引き起こすことになるということの繰り返しである。大きな自然の流れを人間の都合の良いように変えてきたことが、人間社会への深刻なダメージを与えようとしているのだから、対症療法ではなく、その流れを元に戻すにはどうするかを地球レベルで考えなくてはならない。難しいことだが、やらざるを得ないことだ。