効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

超小型チューブ形式固体電解質燃料電池

産業技術総合研究所が数日前、角砂糖ほどの大きさで、極めて細いセラミックチューブが組み合わさった固体酸化物電解質燃料電池SOFC)で1立方センチあたり2ワットの出力を出せるものを開発に成功したと発表した。これには、ファインセラミックス技術研究組合と、セラミック技術をもつ日本碍子、性能テストを担当した東邦ガスが協力している。

この写真は産総研のホームページから拝借したものだが、これで分かるようにマイクロチューブの集積体だ。さらに、SOFCは従来、800〜1000℃という温度でないと作動しないというのが常識だったが、600℃を切っても性能が落ちないというのは画期的だと思う。温度が下がったために、その周辺で使用する材料の制約が大きく緩和されるし、急激な温度変化に弱いセラミックの特性をかなり克服できるからだ。SOFCだから発電システムに組み上げても、発電効率は50%前後になるだろう。その排熱温度も高いから、その熱利用の対象も大きく拡がる。
まだ基礎技術の開発ができたという段階だろうが、世界に誇れるものではないか。商品化できれば、エネルギーの高効率化に大きく貢献することができるのは確かだ。低くなったとはいえ600℃の作動温度であれば、天然ガスなどの燃料を直接水素に改質するのをチューブの一部で行えるかもしれない。非常に小型で扱いやすい高効率の数百ワット〜数キロワットの燃料電池の登場が期待される。
今日は息子が属するファンクバンドが、奈良テレビの新社屋建設3周年記念行事で演奏したのを、連れ合いと一緒に聴きに行った。天寿を全うした猫を拾ってきた息子でトランペットをやる。何とか雨も降らずに済んで良かった。桜も咲き始めていたし、春の息吹が感じられる演奏だった。