効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

歯科診療所の窓

歯が冷たいものにしみるのでかかりつけの歯医者さんへでかけた。痛むのならということで予約の間に入れてくれたのだ。結局痛みを感じたところは問題なく、他の部位に初期の虫歯があったのが見つかった。前に診察を受けてから1年以上経っているので、歯周病関連のクリーニングもして貰うことになった。虫歯の治療は、削るのも充填するのも、昔から見ると格段の技術的進歩を感じさせる。充填は光凝固の樹脂だったので、臭いもほとんどなかった。
ここへはもう10年ほど前から通っている。最初に来たときに診療室の窓全部に複層ガラスが入っているのに感心した。その頃はまだ複層ガラスが高価だったからだ。交通の頻繁な交差点の一角にあるビルの2階にあるため、多分断熱効果と同時に断音効果を重視して設計したのだろう。重量車が通るときには振動を感じることはあっても、排気音は殆ど聞こえず、診療室の中は静かだ。クラシックのバックグラウンド・ミュージックが聞こえ、医師も歯科衛生士も静かな声で話しかけてくれる。
ここの光熱費も単層ガラスのところに比べて少ないはずだが、この静けさによって診療を受ける環境を評価する患者さんも居て、収入もあがるかもしれない。また中で働く人の環境としても良いために生産性が上がり、トータルとして最初の高い投資は十分回収できていると思える。これは計算ではじき出せるものではない。米国で同じフロアーの半分だけを改修して断熱し、空調や照明も快適性が高まるようにコントロールしたところ、その新しい部屋の生産性が未改修の部屋をはるかに上回るようになって、改修費用は1〜2年で取り返せたそうだ。
効エネルギーはいろいろな副次効果が加わると、単なる効率アップだけでは計算できないプラスの効果が生まれるということだ。