効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

多数の原発が一度に止まったら

原発が停止して点検中に誤って臨界になるのをはじめとして、極めて重大なミスがつぎつぎに報道されている。発電する時には当然臨界状態に入っているのだが、臨界状態で核分裂が暴走しないように何重にも安全装置が準備されている。ところが、その機構の一部が、ある意味では人為的なミスで外されたり誤操作されて、暴走一歩手前まで行っていたのだ。
もし、あるタイプの原子炉に共通する問題が発見されて、早急にその全てを点検する必要が出たとすると、ベース負荷を担っている原発が一斉に停止を余儀なくされ、点検には当然時間がかかるために、その間電力需要を抑えないといけない事態にもなりかねない。そういうことにはなってほしくはないが、その確率はゼロではない。
それに備えて電力会社は、家庭用も含めて昼のピーク負荷を自動的に抑えられるような制御を拡充する必要があるのではなかろうか。また、政策的にも、太陽光発電をもっと急速に普及させて、自然の力で昼のピーク負荷を抑制できるような施策を打つ必要もあるだろう。さらに言えば、他の分散型発電システムを地域に根付かせて、エネルギー効率の高い発電の普及を考えることも必要だろう。
エネルギー安全保障、炭酸ガス排出抑制という意味で原発の必要性が説かれてきたが、ここへ来てもう一度エネルギーミックスのあり方を再検討する必要があると感じている。