効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

環境対応と米国

米国が京都議定書を批准せず脱退したために、日本では米国全体が環境対応に力が入っていないように思う傾向がある。しかし、消費者の意識が大きく変わったために、企業が炭酸ガス排出量削減に向けた具体的行動をとって、それを広報する動きが顕著である。今日の日経新聞夕刊にも、ウオルマートが取引先の食品・日用品メーカー6万社強を対象にして、包装材の環境負荷「格付けシステム」を作ると報じている。ウオルマートの行動はこれに始まって訳ではない、もっと前から、配送用のトラックの燃費をいかにして上げるかを、ロッキーマウンテン研究所の支援を受けて、重量をそぎ落としたトラックを開発し、めざましい実績を上げていると聞く。
日本の企業のエネルギー効率は高いと良くいわれるが、それは工業部門にだけ言えることであって、業務用分野の総合エネルギー効率はひょっとすると米国と大差はないかも知れない。そして、米国の一般消費者の意識が大きく変化しつつあり、エネルギー消費を中心にした環境対応策を具体的にしない小売・サービス部門は、顧客離れという目に遭う可能性が高いために、環境対応に向けて大きく舵を切る可能性が高い。この分野の効エネルギー化は加速されるだろうと思う。一方、その消費者自体、すなわち家庭用部門のエネルギー効率は日本よりはるかに悪い。ただ、気候条件、建物の大きさ、生活習慣など、基準が異なるために、単純な比較はできないだろう。家庭用部門のエネルギー効率向上については、カリフォルニア州をはじめとする州政府が、電力・ガス事業にエネルギー消費を抑制するプログラムを考え出すよう強制し始めている。
私が日本窓口をしているE Source
http://www.esource.com/public/default.asp
http://www1.kcn.ne.jp/~santo/ESource-J.htm)のレポートを読んでいると、電力会社のスタッフが集まって、販売量を上げないで利益を上げる方法を真剣に議論している。家庭部門でエネルギー効率向上を実現すると、州政府から報奨金が出る、あるいは、料金単価を上げるのを認めて貰えることも念頭にあるようだ。
このような動きに対して、日本の消費者のエネルギー効率や環境に対する意識はどうだろうか。理念的には皆高い意識をもっているかもしれないが、それを尺度にして企業行動を眺めて、その尺度に合わない企業の商品は買わないというような行動にはまだ移っていないように思う。そろそろ日本の消費者の対企業行動が生まれるだろうと思っているのだが。